2018年6月23日 香港ジュエリー&ジェムフェア2018にて「Japan Pearl Seminar」実施 ― Part2

「香港ジュエリー&ジェムフェア2018」会期中の2018年6月23日に、香港コンベンションセンターに於いて「Japan Pearl Seminar」を以下のとおり開催致しました。

 

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日  時: 2018年6月23日 14:30-16:30
場  所: 香港コンベンションセンター N201B会議室
参  加  者: 中国を中心とした真珠取扱業者
配布資料: 1.Pearl Book(中国語)
次  第: 1.日本真珠振興会の概要(英語)日本真珠振興会 理事 覚田 譲治
2.真珠講座(中国語)     IGI Manager  Bie Zhitao Collins
3.Q & A
尚、講演及びQ&Aは英語、中国語で実施。出席者は同時通訳に対応するインカムを使用。
概  要:
1.日本真珠振興会の概要について

冒頭に本セミナーは、水産物、水産加工品輸出拡大協議会の支援により、日本の水産物である真珠を、海外市場、特に新興アジア市場への販売促進目的に開催されたことを説明。

1956年に発足した一般社団法人真珠振興会は、真珠養殖から加工販売輸出迄、真珠業界の川上から川下までの業者組織を束ねる団体であり、傘下の組織に所属する会員は1600業者以上になることを説明。

また、その事業内容の内、真珠検定事業についてその意義を説明した。

これは末端小売に於いて、販売者に真珠の知識が少ない為に、顧客に正しい真珠の価値が説明で来ていない状況を改善するために振興会が始めた事であり、顧客に正しい情報を与えることが市場の育成に繋がり、ひいては日本真珠の安心と信頼に繋がっていることを強調した。本セミナーもこの主旨にのっとり、真珠の加工についての正しい情報を開示することを目的とした。

2.真珠講座について
中国語のネイティブスピーカーで, IGI(上海国際宝石学院)マネージャーであるBie Zhaitao Collins氏が、海産真珠生産の現状、及び、真珠の加工について、という演題で講演した。
Bie Zhaitao Collins氏の講演内容は以下の通り。
1.海産真珠の生産の現状
1.1 アコヤ貝真珠
1.2 黒蝶貝真珠
1.3 南洋真珠
2.真珠の加工について
2.1 浜揚げ珠
2.2 選別、穴明
2.3 前処理
2.4 漂泊(.染み抜き)
2.5 調色
2.6 その他の処理
2.7 研磨
3.Q & Aについて

講座終了後、真珠全般について質問を受け付けた。主な質疑応答は以下のとおり。

Q1.真多麻の価格が上がっているのは何故か?
A.真多麻とは日本の真珠科学研究所と言う所が、アコヤ真珠ネチュラルブルーを表す鑑別書の為に作った造語。我々は鑑別書に頼ることは奨励していない。価格の上昇については中国の需要増と言うほか無い。

Q2.日本の真珠に福島の原発事故の影響はないのか?
A.日本産アコヤ真珠の養殖場は日本の西側に集中している。原発事故のあった福島からは1000km以上離れている事、また、潮流が西から東に流れていることから影響はない。

Q3.地球温暖化により、海水温の上昇や気候変動が起こり、南洋真珠生産に大きな影響を及ぼしている。日本のアコヤ真珠生産にはどのような影響が起こっているのか?
A.回答者の漁場でもここ10年で平均水温が2度上昇した。それに伴い貝の寿命が短くなっている。以前は挿核後3年養殖も出来たが、今はこのような長い養殖期間には貝が耐えられない。

Q4.真珠は変色するのか、それは調色の影響か?
A.真珠は有機質から出来ている物であり、調色の有る無に関わらず徐々に変色すると理解し欲しい。

Q5.日本のアコヤと中国アコヤをどのように見分けるのか?
A.低級品について判別は難しい。但し、大量になると日本産の真珠層の透明度が高いことから判別できるが100%言い切ることは出来ない。

Q6.マベの加工はどのようなものか、今後の生産量はどうか?
A.ジャパンパールパビリオンには、マベに特化した会社もあるので、その会社に案内する回答。

※本セミナーのレポートはこちらからご覧になれます。
2018年6月23日 香港ジュエリー&ジェムフェア2018にて「Japan Pearl Seminar」実施 ― Part1